軽包装資材メーカーの福助工業(愛媛県四国中央市)は11月26日、世界初となる、海洋でも土壌でも微生物の働きにより生分解するレジ袋を開発したと発表した。2020年7月から数量を限定した販売開始を目指す。

画像1-1.jpeg
画像はイメージです(© whitcomberd / amanaimages PLUS)

今回開発した土壌・海洋生分解性レジ袋は、研究機関で生分解性が確認され、現在、TUVオーストリア認証の取得を申請中だ。同社によると、この認証を受けた海洋分解性単体フィルムはないという。認証の要件は30℃の海水中で6カ月以内に90%以上生分解することだ。

現在、世界的な生分解性ポリマーの需給が逼迫しており、同社は、土壌・海洋分解性レジ袋の量産化については、原料事情の落ち着きを待って順次拡大していく予定。また、使用領域拡大を目指し、並行して軟包装に用いられるシーラントの開発にも取り組む考えだ。

画像1-2.jpeg

海洋プラスチックごみ解決策のひとつ

同社はこれまでも、環境対応型製品として、トウモロコシなどの植物資源を原料とする生分解性樹脂で作った袋「エコレックス」を展開してきた。今回、この「エコレックス」で、土壌と海洋で分解性するタイプを完成させた。

また、同社では地球環境負荷低減に向けて、店舗で回収されたレジ袋を原料に戻し、そのリサイクル原料を最大15%使用したリサイクルレジ袋を製造する循環型システム「レジ袋toレジ袋」に取り組んでいる。土壌で生分解されるレジ袋は欧州のような埋め立て文化で、海洋で生分解されるレジ袋は沿岸部などで誤って海に流された際に有効だと説明する。

海洋プラスチックごみが国際的な課題として注目される中、海洋生分解性プラスチックは、その解決策のひとつになると期待されている。

この記事は、環境ビジネスオンライン2019年11月27日掲載より、アマナデザインのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、licensed_content@amana.jpにお願いいたします。