鳥取再資源化研究所(鳥取県東伯郡)、丸紅(東京都中央区)、丸紅テツゲン(同・新宿区)、丸紅メタル(同・千代田区)は、10月25日、太陽光発電パネル強化ガラスのリサイクルを共同で事業化することを目指し、戦略的業務提携書に署名した。

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鳥取再資源化研究所と丸紅グループは、太陽光発電パネルの回収と強化ガラスの原料化を行い、鳥取再資源化研究所の特許技術を利用してガラス発泡材を製造する。

鳥取再資源化研究所のガラス発泡技術は、ガラスに含まれる重金属等の有害物質(アンチモン)の無害化・固定化を可能にする技術だ。製造されたガラス発泡材は、土壌の水分保持能力を高める土壌改良材としての利用や、水中で水質改善を促す微生物の棲家となる水質浄化材として利用される。

太陽光発電パネルの廃棄量、20年後には200倍に増加も

両社は、リサイクルが困難といわれる強化ガラスを地球環境に優しい製品へと変えることで、廃棄物の削減を環境改善へつなげ、持続可能な社会の実現に向けて、環境課題への多角的なソリューション提供を目指す。

パリ協定が定める1.5℃目標に向けて、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロ(ネットゼロ)とする目標を各国政府が表明する中で、今後ますます再生可能エネルギーへのシフトが進み、太陽光発電の大幅な増加が見込まれている。

一方で、太陽光発電パネルの廃棄量は、10年後には現在の10倍、20年後には200倍に増えるとも試算されているという。太陽光発電パネルは解体され部品ごとにリサイクルされるが、パネル重量の7割超を占める強化ガラスはリサイクルが困難なため、現在は埋立廃棄されており、将来は環境面でも大きな社会問題となることが指摘されている。

この記事は、環境ビジネスオンライン 2019年10月29日掲載より、アマナデザインのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、licensed_content@amana.jpにお願いいたします。