要点:

  • 米国の穀物大手カーギルが世界11カ国、6,000人の消費者を対象に行った最新の調査によると、世界の消費者の半数以上(55%)がサステナビリティに関する情報がラベルに表示されている包装食品を選んでいることがわかった。2019年の前回調査から4ポイント増えている。
  • 米国の調査に参加した550人のうち、37%が商品を買うときにサステナビリティの表示を参考にすると答えており、前回調査から6ポイント増えた。カーギルによれば、特に多いのが「持続可能な調達」(63%)や「責任をもって生産」(57%)と記された食品を選ぶという回答だった(本記事掲載のGrocery Diveの姉妹サイトFood Diveより)。その割合は、「天然資源の保護」(49%)や「フェアトレード」(46%)、「簡単な包装」(39%)などを上回った。
  • 食品会社に対して説明責任を求める消費者の声はますます高まるにつれ、食品や日用品を扱う企業の間では、ラベルを通じて自社のサステナビリティの取り組みを伝えようとする動きが進んでいる。

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詳細:

食品のサステナビリティに対する消費者の意識や関心は世界中で高まっており、サステナビリティは商品を買う際の基準のようになりつつあることがカーギルの調査で明らかになった。

それに応えて食品メーカーは、原材料の調達(特に、森林破壊や児童労働と関わりがあるとされてきたパーム油やカカオなど)や自社製品のサステナビリティを裏付ける証明を強調しようと努めてきた。カーギルの調査結果を見れば、食品小売業者は、消費者がラベルにどんなサステナビリティ情報を求めているのか詳しく知ることができる。

食品販売業者は最近、食品が健康的で安全で環境を壊さない方法で作られていることを示すクリーン・ラベルの流行とその扱い方に頭を悩ませている。米国の食品産業協会(FIA)は、小売業者に対し、クリーン・ラベルを競争戦略として活用し、自社ブランドにとってサステナビリティは「価値」であると考えるよう勧めている。

米国のスーパーマーケット大手のアルバートソンズスパルタンナッシュなどは、クリーンな材料やサステナブルな製品を自社ブランドのラインアップに加えている。大手スーパーマーケットのターゲットは、2019年に独自の「クリーン」マークを発表し、実店舗やウェブサイトで「特定の化学物質*を使用していない」商品を見分けられるようにしている(*具体的な物質は商品により異なる)。

容器包装についても消費者はサステナビリティを求め続けていて、クローガーなどの米国の大手小売業は、環境のことを考えた製品パッケージをもっと使っていこうとしている。

食品販売業者は、サステナビリティについて何をどう表示するか検討する際に、「環境にやさしい」や「クリーン」といった大まかで不適切な表示によって生じる可能性のある法律上の問題に注意しなければならない。そう語るのは、米国を本拠とする国際的な法律事務所ステプトー・アンド・ジョンソンLLP(Steptoe & Johnson LLP)の小売・Eコマースグループの責任者であり、同社のサンフランシスコ事務所でマネージングパートナーを務めるステファニー・シェリダンだ。食品販売会社は、サステナビリティに関する表示を裏付ける適切な証拠をそろえ、製品やパッケージの表示に誤った表現を載せないよう気を付けなければならないと、シェリダンは述べている。

販売会社やブランドは、環境への配慮を主張するロゴマークの付いた商品について、自社のウェブサイトに説明を載せることや、主張を裏付け、詳しい情報を提供する第三者認証を消費者に積極的に伝えることを検討しても良いだろう。例えば、米国の小売大手ウォルマートは、サステナブルな食品や健康食品の品ぞろえを充実させる中で、ウェブサイトやアプリに独自のマークを追加して、EWG認証やエナジースター認証、レインフォレスト・アライアンス認証など第三者機関の基準を満たす商品を消費者が見つけやすいようにしている。

この記事は、Grocery Diveよりキャサリン・ダグラス・モーガンとクリス・ケイシーが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはすべてlegal@industrydive.comまでお願いいたします。