最近、「SDGs」という言葉をよくテレビやSNSで見かけないだろうか?

SDGsへの対応の重要性は国境を越えて共有されており、世界各国で目標設定もされている。協和キリンでも、SDGs目標達成に向かって取り組みを進めているところだ。

今回は、SDGsの基本的な情報と、協和キリンの気候変動に関する取り組みを分かりやすく解説する。

こんにちは、協和キリンのCSR推進部環境推進チームです。たしかに普段耳慣れない言葉が多いSDGsのテーマですが、実は私たちの生活や将来に密接に関係しています。それではさっそく、SDGsについて見ていきましょう。

 

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SDGs(読み方:エスディージーズ)とは「Sustainable Development Goals」の略で、持続可能な開発目標という意味の言葉です。環境問題から人権問題までカテゴリー別の17の目標で構成されていて、地球上で生活する誰もが何かしらのアクションで貢献できるような目標なんですよ。(協和キリン担当者)

 

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SDGsの13番目の目標は「気候変動に具体的な対策を」。この目標が設定された背景にあるのは、COなどの温室効果ガスなどによって引き起こされる地球温暖化の影響の深刻化だ。

世界の平均気温は年々、上昇しており、1880年から2012年の期間に陸域と海上を合わせた世界平均地上気温は、産業革命前の変化と比較して急激に0.85℃も上昇した※1。地球温暖化は、異常気象をもたらすだけではない。気温上昇による海面の上昇、環境破壊、深刻なレベルの自然災害の悪化、生物・植物の絶滅や衰退による生態系への悪影響もある。ほかにも、気候変動による土壌劣化が原因で、水不足や食料不安が進行すると予測される。さらに、経済の混乱、紛争やテロの助長にもつながる。このように地球温暖化は、さまざまな社会問題を引き起こす引き金になっているのだ。

こうした背景から、平均気温の上昇を抑えるために、脱炭素社会の実現が急がれている。国だけでなく、企業や個人でも具体的な対策を行うことが必要とされているのだ。

※1 出展:IPCC第5次評価報告書 統合報告書 、環境省「地球温暖化の現状」,2019

 

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協和キリンの親会社であるキリンホールディングス株式会社は、一緒につくりたい2050年の社会を気候変動を克服している社会と決め、「キリングループとして2050年にCO2排出量を実質ゼロにする」という目標を掲げています。協和キリングループの独自目標として2030年のCO2排出量を2019年と比べて55%減らすという目標を設定しました。(協和キリン担当者)

「2019年と比べて55%削減」つまり半分以下にするという目標が、どれくらい高い目標かわかりづらいかもしれない。もし、具体的な取り組みを行わず、自然な成り行きに任せてしまった場合、なんとCO2排出量は今より25%も増加してしまうと予測されている。増加を止め、さらにマイナス55%まで削減することは高い目標だが、グループ全体で最優先事項として取り組んでいる。

目標達成に向けては、ロードマップを作成し計画的に進めており、取り組みの成果はもう現れ始めている。協和キリングループの国内および海外の生産・研究拠点のCO2排出量は、2019年に約51,300トンだったが、2021年には約38,200トン(2019年と比べ26%削減)と大幅に削減。2030年目標の達成に向け着実に努力を続けており、今後もさらなる減少を見込んでいる。

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図: CO2排出量削減イメージ 協和キリンHPを元に作成

 

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協和キリンのCO2排出量削減の取り組み方針は、省エネの推進と事業で使う電力への再生可能エネルギーの導入と、活用の拡大です。つまり、エネルギー使用量全体を減らしつつ、電力そのものを地球に優しいものに切り替えていくという考え方で進めています。(協和キリン担当者)

空調設備などの運転効率化や、最新の設備・機器への入れ替え等により省エネを推進した結果、2021年には2019年と比べてCO2排出量を5.5%削減することができた。とはいえ、省エネだけでは「2030年までに55%削減」という高い目標達成は不十分。

協和キリンでは医薬品の開発・製造を事業の中心としており、医薬品の製造過程ではクリーンな環境が常に不可欠なため、空調に大量の電力を使用する。そのためCO2排出量を大幅に削減するには、再生可能エネルギーによる電力の活用を進めることが効果的だ。

再生可能エネルギーとは、化石燃料と呼ばれる石炭や天然ガスなどを使用して発電する火力発電とは違い、電力(エネルギー)をつくり出す過程で実質的にCO2などの温室効果ガスを排出しないエネルギーのことを指す。代表的なものとしては、太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスなどがある。しかし、再生可能エネルギーの全てが明るい未来を照らしているわけではない。キリングループ環境ビジョン2050で掲げる「責任ある再生可能エネルギーを社会に広げる」というミッションのもと、さまざまある選択肢の中から調査を行い、多角的に検討を重ね、最適な再生可能エネルギープランに沿った導入を進めているのだ。

最適な再生可能エネルギープランってなに?

3つの特徴を詳しく見てみよう。

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①RE100へ適用できること

RE100(読み方:アールイー100)とは、Renewal Energy 100の略で、企業が事業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーから調達することを目指す国際的な団体のことである。

日本だけでなく世界中の企業が参加しており、キリンホールディングスはすでに2020年11月に加盟。国際的に定められた要件を満たす環境価値の促進を積極的に進め、目標達成に向けての適切なアクションになっているかどうかを検討する際のポイントの一つとしている

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②責任ある再生可能エネルギー

「責任ある再生可能エネルギー」とは、つくる過程も環境や社会へ配慮されているエネルギーのこと。発電のために森林破壊をしていないか、生態系への配慮がなされているか、強制労働や土地の収奪などの人権侵害が問題になっていないかなどを導入前に調査する。

追加性

「追加性」とは、再生可能エネルギー電力を購入するだけではなく、新たな再生可能エネルギー電源の普及拡大にも寄与することである。

火力発電を代替しCO2排出量を削減することができることはもちろんであるが、「追加性」がある環境価値を持つ再生可能エネルギーを選択することで、社会に新たな再生可能エネルギー発電設備をさらに増やし、より本質的・直接的に社会の脱炭素化に貢献できるのだ。

このように、「気候変動を克服している社会」の実現のため、CO2削減目標を高く設定し、社会に対しポジティブインパクト(好影響)を創出できるよう、以上の3点をクリアしていることを前提に、コスト、将来予測、流通量、契約期間、市場動向、地域特性などを考慮し、再生可能エネルギーの導入を行っている。

 

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ここまでは、協和キリンの考え方や方針についてお話しましたが、最後に、具体的な取り組みもご紹介したいと思います。協和キリンのCO2削減に向けた取り組みは、大きく4つです。

1:業界初「アクアプレミアム」の導入など、再生可能エネルギーの積極活用

2:営業車のハイブリットカーへの乗り換え

3:グリーン・オフィス・プランの推進

4:国際的なイニシアティブへの参画(TCFD提言への賛同表明)

以上の4つの取り組みを中心に早い時期から抜本的な改革を行っています。(協和キリン担当者)

1:業界初「アクアプレミアム」の導入など、再生可能エネルギーの積極活用

協和キリンでは、再生可能エネルギーの活用を促進するため、2011年から太陽光発電設備の導入を進めている。2021年現在では、東京リサーチパーク(東京都)、富士事業場(静岡県)、宇部工場(山口県)、高崎工場(群馬県)の4生産・研究事業場で導入。これらの2021年における年間発電量の合計は129千kWhで、CO2換算で61.1トンに相当する。

また、2020年には高崎工場で「アクアプレミアム」を導入した。「アクアプレミアム」とは、東京電力が提供する、水力100%(CO2フリー)とみなされるエコな電力のことで、医薬品製造の業界内で初めて、他社に先駆け自社工場への導入を行った。さらに2022年1月1日からは富士事業場にも「アクアプレミアム」を導入。これにより、協和キリンの年間消費電力量約72,400千kWhのうち、約45,400千kWhが水力電源由来のものに切り替わり、年間CO2排出量の約39%(約20,000t)が削減できる見通し※2となった。

今後2030年までには、海外のサイトや国内の支店営業所等も含めた協和キリングループ全事業場の購入電力を、100%再生可能エネルギーに切り替える予定だ。

※2:2020年度の実績値を基に算出

2:営業車のハイブリッドカー導入率100%

協和キリングループでは、2009年から順次、営業車両を従来の低排出ガス認定車からより燃費性能の良いハイブリッドカーへ切り替えを進めてきた。

その結果2019年、国内の全ての営業車両をハイブリットカーに切り替え、その後もハイブリッドカー導入率100%を維持し、営業活動に使用する燃料を抑えるとともに、CO2の排出量削減にも結びついている。

2020年度以降はCOVID-19の影響もあり、面談や説明会・講演会の実施においてWEBツールの活用を大幅に促進させたことにより、営業車の使用を減らし、CO2排出量の大幅な削減を維持することができている。

これからも、より高効率で環境負荷の少ない車両への切替えを継続し、脱炭素企業グループの実現に向けた取り組みを進めていく。

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図:営業車から排出されるCO2排出量とハイブリッドカー導入率

3:グリーン・オフィス・プランの推進

協和キリングループでは、本社、支店・営業所、生産・研究事業場を中心に、労働組合、総務部門、調達部門等と協力してグリーン・オフィス・プランに取り組んでいる。

グリーン・オフィス・プランとは具体的に、下記のような目標を設定して取り組んでいる活動のこと。

①電気使用量の原単位1%/年削減

②グリーン購入比率90%以上

③コピー用紙使用量の原単位1%/年 削減(過去3年平均値対比)

グリーン購入とは、社内で使用する紙や文具類、オフィス家具などにおいて、エコマークなどの環境配慮製品の購入をより積極的に促進する仕組みのこと。2021年度のグリーン購入比率は92%となった。

COVID-19の影響もあり、これまでの働き方を見直しテレワークを中心とした働き方改革を実施し、今も継続している。その結果、社員一人当たりで見ると、電気使用量は前年比で6%削減し、コピー用紙使用量は過去3年平均値対比で25%削減と大きな効果を生むことが出来た。

関連記事:「買う」に「環境」という基準を。グリーン購入率90%を目指す協和キリンの取り組み【循環型社会】

4:国際的なイニシアティブへの参

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TCFDとは、「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」のことで、気候変動が企業活動(財務)に与えるリスクと機会(影響)を評価して管理し、これらに関して適切な情報開示を求めるもの。

協和キリンでは2021年11月にTCFDによる提言への賛同を表明すると共に、情報開示などに取り組んでいる。また親会社であるキリンホールディングスは、2018年に食品業界では初めてTCFD提言への賛同を表明している。

 

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「アクアプレミアム」の導入から、グリーン・オフィス・プランまで、協和キリンの4つの具体的な取り組みをご紹介しました。事業ごとの取り組みも、社員一人ひとりの取り組みも、積極的に行っていることを感じてもらえたらうれしいです。

協和キリンでは、経営理念である「ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献する」ことを目標に医薬品の開発を事業の中心としていますが、私たちが追求する「世界の人々の健康と豊かさ」は、みなさんの生活基盤である地球環境の持続性とサステナブルな社会が存在してこそ実現するもの。だからこそ、今回ご紹介したようなCO2排出量の削減への取り組みにも力を入れています。

大きな変革と小さな変革、どちらもコツコツと行っていくこと。それが私たちの実現したい「気候変動を克服している社会」への一歩になると信じています。

(協和キリン担当者)