マイクロプラスチックによる環境汚染は、人間にとって、この先も向き合い続けることになる緊急の課題だ。この小さな粒子は、肥料や化粧品、家庭用洗剤、洗浄剤、ペンキなどの日常的に使う物の中にも、石油・ガス産業が用いる製品の中にも存在する。

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インドネシアは、中国に次ぐ世界で2番目の海洋汚染国。毎年62万トンのプラスチックごみが川や海に捨てられる

アデック・ベリー(AFP)

プラスチックのおかげで、世界中の人々の生活が便利になった。それは特に、プラスチックという物質が、軽くて、簡単に加工したり洗ったりできるからだ。しかし人間は、「使い終わったプラスチックをどうするか」という大きな問題も生み出してしまった。プラスチックは分解するのに何百年もかかる。それに分解するといっても、たいていはどんどん細かいかけらになっていくだけだ。

マイクロプラスチックの影響を見定めるため、Digital Journalでは全3回シリーズで、その問題の深刻さと、提案される解決策にせまる。初回である今回は、この問題の全体像を捉える。第2回、第3回では以下の内容を取り上げる。

―第2回「マイクロプラスチック(2)戦略を立てる」

―第3回「マイクロプラスチック(3)化粧品の脱プラ」

 

プラスチックとその処分についてのさまざまな問題の中で、最も心配されているのが、「マイクロプラスチック」と呼ばれるきわめて小さな(5ミリメートル未満の)プラスチックだ。

マイクロプラスチックは固体のプラスチック粒子で、さまざまなポリマー(プラスチックの主材料である高分子化合物)と、いろいろな機能を持つ添加剤からできている。車のタイヤや合成繊維の一部だったものが、日常的な使用や摩耗、分解の過程で粒子状になったものだ。意図して作られるマイクロプラスチックの粒子もある。たとえば、洗顔フォームやボディソープのような消費者向けの美容・健康製品にスクラブ剤として添加されるマイクロビーズなどだ。

マイクロプラスチックは、地球上の生き物にとって深刻な脅威であり、人間も例外ではない。実験室での試験によって、マイクロプラスチックが魚や貝などの体内にどのように取り込まれ、たまっていくかが示されている。これらの動物は、海の大型動物のエサになるだけでなく、食物連鎖の頂点にある人間も食べるものだ。

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米国のハワイ諸島国立自然保護区にあるレイサン島に打ち上げられ、海岸に散らばる海洋ごみ

スーザン・ホワイト/米国魚類野生生物局(CC BY 2.0)

マイクロプラスチックは、海の魚や貝だけでなく、ほかの食べ物や飲料水からも見つかっている。それどころか、世界中でマイクロプラスチックが見つかっていない場所は、ほとんどない。人間は、ありとあらゆるものにプラスチックを使うことにより、地球の生態系と食物連鎖を永遠に汚染してしまったのだ。

動物を使った実験では、長期間マイクロプラスチックにさらされると、生き物の身体に有害な影響が起こることがわかっている。人間への影響の全容はまだわかっていない。

このような健康に対する不安と、生態系への影響から、多くの国で消費者向けの製品でのマイクロプラスチックの使用を禁止し始めている。こうした各国の取り組みを後押しするように、国際的な行動を求める声も上がっている。

欧州化学品庁によれば、消費者向けの製品から生じるものだけでも年間4万2000トンのマイクロプラスチックが環境中に放出されるという。その多くが海などに流れ着いて海洋汚染を引き起こす。

 

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