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唐人ベーカリー 唐人町ポエム本店(出所:唐人ベーカリー)

日本気象協会(東京都豊島区)は12月4日、小売業向け商品需要予測サービス「売りドキ!予報」の福岡市バージョンを開発し、2020年9月から実証実験を行った結果を発表した。参加企業8社のうち、唐人ベーカリーでは売り上げ上位30品目で、実証期間の2020年9月~10月の廃棄率が前年同期比24.4%削減、実証期間直前の7月~8月と比べて14.8%削減した。

実証実験は、「福岡市事業系ごみ資源化技術実証研究等支援事業」において、同社が応募した「気象予測にもとづいた福岡市版需要予測情報活用による食品ロス削減実証実験」が採択され、実施しているもの。通常の「売りドキ!予報」で提供する660種以上のカテゴリの需要予測指数に加え、福岡市で消費量の多い商品や、ワークショップで検討された廃棄傾向の多い商品を追加した、福岡市オリジナルの「売りドキ!予報」を活用した取り組みだ。

唐人ベーカリーでは、日々の利用者の出入りは天候に左右され、売り上げに直結するという。今回の実証実験を通して、「菓子パン」カテゴリの売りドキ指数(需要予測指数)・来店指数・気象情報を参考にすることで、その日の売り上げを事前に把握し、パンの作りすぎを防止することで廃棄削減を目指した。

唐人ベーカリーが廃棄削減に至った要因を分析したところ、「売りドキ!予報」を活用することにより、「不調傾向」が表示されたタイミングで適切に製造量を調整した結果、廃棄率が低下したことが認められたという。

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(出所:日本気象協会)

福岡市バージョンでは新たな食品24カテゴリーが追加

同実証は、福岡市バージョンの「売りドキ!予報」を参考に福岡市に拠点を置く小売業8社が受発注量、棚割りの調整を実施するもの。実証期間は、2020年9月~2021年1月。2021年3月に最終報告が行われる予定。

今回開発された福岡市バージョンでは、登録地点を同市に設定することで、ちゃんぽんめん、うどん、木綿豆腐、絹豆腐など24カテゴリが新たに参照可能となった。

同実証では、参加企業(スーパーマーケットやパン屋)へのアンケート調査と併せて実証実験前後の売り上げや廃棄量データを比較し、「売りドキ!予報」の需要予測情報や気象情報が、小売業における過剰な仕入れやインストア加工によって発生する食品ロスの削減に、どれだけ効果があるかを検証する。

日本気象協会では2017年度より経済産業省の補助事業(2014年度~2016年度)を経て、主にメーカー向けの商品需要予測事業を実施してきた。こうした中、多くの小売業者の要望を受け、2019年4月より「売りドキ!予報」の提供を開始した。同サービスは広域エリアの商品売り上げと気象データを関連づけており、多くの小売業者に活用されているという。