着せ替え人形の代表ブランド「バービー」のラインナップの多様化が進んでいる。

デビューから60年あまり。バービーは目覚ましい進化を遂げている。細身でブロンドヘアの美女がお決まりのパターンだったが、今では、肌の色も体型もさまざまなバービー人形が販売されている。そして2020年には、多様化にさらに拍車がかかりそうだ。

「バービー ファッショニスタ」シリーズから登場するのは、白斑のあるバービーに、髪の毛がないバービー、肌の色が黒く、義足をつけたバービー。それに、カチッと固めた定番の髪型ではなく、長い髪をおろしたケンだ。

「私たちは、多様性に富んだ商品を作り、あらゆるタイプの美を表現することを目指してきました。だれもが手に取りやすいように」 バービー人形を販売するマテル社で同商品を担当するグローバルヘッド兼上級副社長のリサ・マクナイトは、そう語る

マテル社は、女の子を取り巻く現実世界をバービーブランドで表現することに重点を置いている。そのために、過去5年で170を超える新しい人形を発売した。同社のウェブサイトによると「ファッショニスタ」シリーズで展開されている人形は現在176種類の人形が展開されており、その中には9タイプの体型、35種類の肌の色、94通りのヘアスタイルが存在する。バービーブランドの多様性の広がりは外見にとどまらず、人形が持つスキルも実にさまざまだ。2018年には、ロボットエンジニアのバービーが登場し、「Shero」シリーズからは、各分野で活躍する14名の女性をモデルにした人形が誕生した(Sheroは、Sheとheroを合わせた造語。)。

こうしたダイバーシティ&インクルージョンの取り組みは成果をあげている。「ファッショニスタ」シリーズで2019年の売り上げ上位10位の商品のうち、7つが多様性を表現したものだった。なかでも、年間を通じてほぼ毎週ベストセラーに輝いたのは、カーヴィーな体型でアフロヘアの、褐色の肌のバービーだ。英国では、購入される人形の4分の1を車いすのバービーが占めているという。

「車いすのバービーと白斑のあるバービーは、お客様のリクエストに応えて実際に作ったものです」とマクナイトは言う。

白斑のあるキャラクターをデザインするにあたっては、肌の状態を正確に表現するため、皮膚科医の協力も仰いだ。

さらに2019年には、当時12歳の活動家ジョーダン・リーブスとコラボ。障害のある子どもたちに注目を集めるべく、初の義足を持つバービーを発売した。今年その第二弾として、義足を持つダークトーンの肌のモデルが登場する。

長髪をおろしたケンの新バージョンや、白斑のあるバービーはすでに店頭に並んでいる。今年6月には、義足の新キャラクターと髪の毛がないバービーが発売される予定だ。

マクナイトは次のように話している。「この取り組みを通じて、子どもたちに正しいメッセージを伝えられることにワクワクし、誇りを感じています。そのうえ、ダイバーシティはビジネスにもプラスに働いていて、バービーブランドは好調そのものです」

この記事は、Working Motherのオードリー・グッドソン・キンゴが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。