2019年6月13日から15日の3日間にわたり、大阪で「SDGs未来会議—未来をつくるソーシャルサミット−」が開催された。このイベントの目的は、体験や学びを通じて持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals : SDGs)の認知を広め、取り組みのきっかけを作ることだ。

大阪・梅田駅からほど近い複合商業施設グランフロント大阪で実施されたこともあり、当日は小さな子どもを連れた家族連れ、中高生、ビジネスパーソン、学校関係者まで幅広い方が来場し大盛況だった。

協和キリンもこのイベントに出展。理科実験教室「バイオアドベンチャー」の体験ブースと、当ウェブサイト「MIRAI PORT」のパネル展示をおこなった。担当した協和キリンの社員の声と共にレポートする。

※SDGs未来会議—未来をつくるソーシャルサミット−
日時:2019年6月13日(木)〜15日(土)
主催:一般社団法人 大阪青年会議所、株式会社宣伝会議
https://www.sdgs-miraikaigi.com/index.html

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SDGs未来会議には21社がブース出展した他、政府関係者や有識者による議論やワークショップなど、様々なプログラムが行われた。

協和キリンのブースでは理科実験教室「バイオアドベンチャー」と「MIRAI PORT」を紹介

協和キリングループは現在の中期経営計画にCSV(Creating Shared Value:社会との共有価値)経営を取り入れ、製薬会社として事業を通じてSDGs達成に貢献しようとしている。また地域に密着した様々な社会貢献活動も展開している。そうした取り組みの中から、ブースでは次世代育成を目的とした理科実験教室「バイオアドベンチャー」と、SDGsに関する国内外のトピックスを紹介するオウンドメディア「MIRAI PORT」の2つの活動を紹介した。

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当日のブースの様子。左側にMIRAI PORTの紹介、右側に実験教室で実際に使っている顕微鏡がある。

ようこそ、ミクロの世界へ!
顕微鏡でバイオアドベンチャー体験

当日のブースで目を引いたのは、なんといってもバイオアドベンチャー体験の双眼顕微鏡だ。

“日常生活であまり体験することのないミクロの世界へ、皆さんをお招きしました。双眼顕微鏡のレンズの倍率は400倍なので、1mmが400mm、つまり40cmに見えます。顕微鏡の前にモニターを設置し、周囲にいる方も顕微鏡を覗いている方と同じ視野を見られるようにしたので、多くの方が「これは何?」と驚かれていましたね。”

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モニター付きの双眼顕微鏡

来場者が体験したのは、その一部の種類が味噌や日本酒を作る“麹”として使われてきた「コウジカビ」の顕微鏡観察だ。実際のバイオアドベンチャーでは、参加者自ら本物のチーズやプクプクと発酵したイーストから試料を作って観察するのだ。

“小さい子は、顕微鏡を覗くと、とにかく驚いていました。高校生は、製薬会社の仕事について質問をしてくれたのが印象的でした。意外だったのが、教育関係者の関心が非常に高かったことです。お話を伺ったところ「学校で、モニター付きの双眼顕微鏡を用意するのは難しい」とのことでした。「より多くの方にバイオアドベンチャーに参加していただけたら嬉しいです」とお話ししたところ、たいへん共感してくださいました。”

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顕微鏡での観察を体験してもらうことで、バイオアドベンチャーへの関心が高まった

中学生も、ビジネスパーソンも。
SDGsに貢献すべく行動する人たちとの出会い

「MIRAI PORT」は世界中で行われているSDGs達成に向けた様々なニュースを紹介している協和キリンのオウンドメディアだ。未来会議開催初日がサイトオープンと重なった。

“「今日オープンしました」とご紹介することで、来場者にも興味をもってもらえたと思います。タブレット端末を用意して、いらした方にMIRAI PORTを実際に見てもらうこともできました。”

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MIRAI PORTを紹介するフライヤー

「MIRAI PORT」を紹介するパネルの前からは、世界各地の取り組み事例を熱心に読む人の波が絶えなかった。

“中学生に声をかけてみると、地域の小学校を自主的に訪問してSDGsを教えている、とのことでした。「MIRAI PORTを読んで勉強すれば、いろんなことが伝えられますね」と言ってくれて。一緒に来ていた2〜3人のお友達と「このサイト、いいね!」「スマホでも見られるかな?」と盛り上がっていました。自分が中学生だったとしたら、そんな風にできるかどうか…。行動力に驚きました。MIRAI PORTの存在意義を実感することができ、嬉しかったです。”

「MIRAI PORT」では海外のニュースを日本語で読めることも、読み手にとってうれしいポイントだったようだ。

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平日の様子。熱心に展示を見る方の波が絶えなかった

会期中の平日には企業関係者の来場が多く、互いの会社の取り組みを紹介しあう様子も見られた。

“他社さんの取り組みから学ぶところは非常に多かったです。当日の運営スタッフにとっても、協和キリンが、そして自分自身がSDGs達成にどう貢献していくか、あらためて考える貴重な時間となりました。”

SDGs未来会議での経験を、今後の活動にいかしていく

主催者発表によると、SDGs未来会議には当初予想を超える2万5千人が来場し、協和キリンのブースも終日盛況だった。

“SDGsに興味を持つ方が大勢来ていたので、当社の取り組みを皆さんに知っていただける良い機会になりました。ここで得た体験や知識が、社会を良くするための行動を起こすきっかけになっていたらうれしいです。

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“本当にたくさんの方に来ていただきました。今回、お一人お一人の顔を見てSDGsに関する当社の前向きな取り組みを伝えられたのがとても良かったです。MIRAI PORTやバイオアドベンチャーへの期待を肌で感じられたことも大きな収穫でした。今後も、MIRAI PORTでの情報発信を通じてSDGsの浸透に貢献していくとともに、私たちのSDGsに対する取り組みをもっと進めて、持続可能な社会づくりに貢献していきたいと思います。”