(左)サスシーミックスフライ丼 MSC 認証 白身魚フライ・いかリングフライ・ASC 認証 えびフライ/(右)サスシーちくわサラダ MSC 認証 すけそうだらちくわ(出所:横浜市立大学)

横浜市立大学は5月9日より、金沢八景キャンパスの生協食堂において、国内の大学では初めてとなるMSC/ASC CoC認証に対応した「サステナブル・シーフード」を使用したメニューの提供を開始する。まずは毎月1週間限定で実施。第1弾のメニューは「サスシーミックスフライ丼」と「サスシーちくわサラダ」。

今回の取り組みに向けて、同大学生活協同組合は、生協食堂において認証水産物と非認証水産物を確実に分別するための管理を確立するとともに、andBLUE(東京都武蔵野市)のMSC/ASC CoC認証のグループに参加。また企画検討では、社員食堂でサステナブル・シーフードを導入しているパナソニック ホールディングス(大阪府門真市)の、MSC/ASC認証水産物の購入では、本学と包括的連携協定を締結しているイオン(千葉県千葉市)の協力を得て実現した。

近年、地球温暖化による急激な水温上昇、過剰漁獲や違法漁業などにより、水産資源が減少している。この課題に対し、同大学公認のSDGs学生団体「TEHs」(テフズ)は、授業のなかでサステナブル・シーフードの取り組みを学び、限りある水産資源を絶やさないために、「サスシープロジェクト」を立ち上げた。

TEHsメンバーは、次のようにコメントしている。

総合講義(環境論入門)」の授業でサステナブル・シーフードの取り組みを学び、限りある水産資源を絶やさないために、今の私たちにできることを考えました。学食で、サステナブル・シーフードを提供することにより、本学でのSDGsへの貢献をさらに推進することができると、このサスシープロジェクトの企画検討をスタートさせました。今後は、学食で安定した提供ができるよう、システムづくりに取り組み、学生に馴染みあるものにしていきます。また、本学の取組を起点にして、このプロジェクトを全国の大学に普及していきたいと考えています。

同大学は、今回の取り組みを通じて、SDGsに対する理解を深めるとともに、「海の豊かさを守ろう(ゴール14)」の達成に貢献していく考えだ。

MSC/ASC CoC(Chain of Custody)認証とは、加工、流通の過程で認証水産物と非認証水産物の混入を防ぎ、適切に管理することを目的とした認証。また、サステナブル・シーフードとは、水産資源や環境に配慮し適切に管理されたMSC認証を取得した漁業で獲られた水産物や、環境と社会への影響を最小限に抑えたASC認証を取得した養殖場で育てられた水産物のこと。

「TEHs」は、2020年に設立された横浜市立大学公認のSDGs学生団体。「SDGsの達成への貢献」「横浜市立大学全体でSDGsに取り組める事業に挑戦する」という目標を掲げ、SNSでの情報発信、学外イベントへの参加など、学内外でのSDGs認知度向上に取り組んでいる。

この記事は、株式会社日本ビジネス出版『環境ビジネス』(初出日:2022年5月9日)より、アマナのパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせは、にお願いいたします。