女の子は家計の負担になると考えられている。慈善団体は、コロナ禍によりジェンダー平等が大幅に後退したと語る。

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プラン・インターナショナルによると、インドでは昨年半ば、子ども向けヘルプラインに寄せられた「早すぎる結婚」に関する相談が17%増えたという
写真:トシーフ・ムスタファ/AFP/Getty Images

東南アジア太平洋地域では、何千人もの未成年の少女たちが、学校をやめて結婚しなければならない状況に追いこまれている。原因は、新型コロナウイルスの流行だ。ジェンダー平等に取り組むプラン・インターナショナルは、「この世代の女の子たちが、教育から取り残される恐れがある」と警告している。

プラン・インターナショナル・オーストラリアがこのほど作成した報告書は、少女たちが中等教育を受けることの重要性を強く訴えるものだ。東南アジア太平洋地域で、幼いうちに結婚させられる女の子が増えていることを取り上げ、その長期的な影響について詳しくまとめている。

「児童婚の根底にあるのは、娘は家計の負担になるという考え方です」。プラン・インターナショナル・オーストラリアのスーザン・レジェーナCEOは、ガーディアンのインタビューにこう答えた。「女の子は結婚すると大人とみなされ、教育はたいていそこで止まってしまいます」

「そうすると、妻か母になるしか道はありません」

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昨年、国際NGOセーブ・ザ・チルドレンは、東南アジア太平洋地域で、今後4年間に25万人もの未成年の少女たちが、早すぎる結婚を強いられる可能性があることを明らかにした。

インドネシアでは、2020年に結婚した未成年の少女は、およそ3万3,000人に上る。プラン・インターナショナルによると、上半期だけで、2012年1年間の2.5倍を超える数の届け出があったという。

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インドでは、2020年6月から7月にかけて、子ども向けヘルプラインに寄せられた「早すぎる結婚」に関する相談が、2019年の同じ時期より17%増えた。

学校をやめてしまうと、女の子は性教育を受ける機会も失うことになるとレジェーナは言う。また、学校を早くやめる人は、自分の娘の学校教育も途中までになってしまうケースが多い

前出の報告書は「早すぎる結婚を強いられた女性は、貧困や暴力、早すぎる妊娠などによって、命や健康がおびやかされる傾向にある」と指摘している。

また報告書によると、東アジア太平洋地域では、プレプライマリー(小学校入学前教育)から高校までの120万人以上の少女たちが、新型コロナウイルスのパンデミックのために学校をやめた可能性があるという。学校に籍をおいていない少女の数は、コロナ流行前でも1,500万人に上っていた。

同地域では、4,000万人、つまり5人に1人の少女が、オンラインやテレビ、ラジオなどを使ったリモート学習ができない生活環境だった。

報告書を作る際に話を聞いた少女たちの「圧倒的多数」が、学校に通い続けることを望んでいたとレジェーナは明かす。「彼女たちは、教育の価値を誰よりもよく分かっているのです」

プラン・インターナショナルが以前作成した別の報告書では、調査対象となった15~24歳の少女1,200人のほぼ半数が、パンデミック後も学校に戻れないのではないか、と不安に感じていることも明らかになった。

女の子が学校に残ることを許される家庭では、多くの場合、その子の家族も教育を受けている。自分たちの娘が、思っていたよりはるかに優秀だと初めて知った、という親も多い。

パンデミックは、少女たちの心の健康にも大きな影響を与えている。太平洋地域では、5人のうち3人の少女が、「新型コロナウイルスのせいで、何らかの不安やストレスを感じている」と答えており、5人のうち4人はパンデミックで孤独を感じるようになったという。

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学校という場は、自宅とは別の、少女たちを守る環境でもある。生き方の手本となる教師がいて、栄養プログラムのおかげで食べ物も確保されている。友だち同士の交流から学ぶことも多い、とレジェーナは言う。

パンデミックのために、今の少女たちの教育を奪ってはなりません

 

世界銀行によるパンデミック前の予測によると、東南アジア太平洋地域では、2020年に貧困線を下回るのは500万人とされていた。だがパンデミックにより、その数値に3,300万人が上乗せされると考えられている。この地域の全体の貧困率が、ここ20年で初めて増加するわけだ。

報告書からは、インドでも子どもの結婚が増えていることが分かる。パンデミックにより世帯収入が減ったからだけではない。ソーシャルディスタンスが求められるため、規模が小さく、費用を抑えた結婚式が受け入れられるようになったからでもある。

報告書は、15~19歳の少女450人にオンラインで行った調査やインタビュー(対象国はインドネシア、ベトナム、フィリピン、タイ、フィジーなど10カ国)、および少女たちとのワークショップ(対象国はインドネシア、ベトナム、キリバス)をもとに作成されている。

 

この記事は、The Guardianのヘレン・サリバンが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはすべてlegal@industrydive.comまでお願いいたします。