国連の推定によると、毎年15億トン、つまり生産される食品全体の3分の1が廃棄されている。また、その40%以上は家庭から捨てられているという。私たちの食卓に上るものが環境に重大な影響を及ぼしているが、これはつまり、一人ひとりに環境をプラスの方向に大きく変える力があるということだ。もっと身近なことを言えば、食品ロスを減らすことで悪臭のもととなる ゴミを減らせる。

食品ロスを減らすには、ビーガン(完全菜食主義者)になったり、好きな食べ物をあきらめたりしないといけない、ということではない。ふだんの生活を大きく変える必要もない。自分が購入して食べるものをもう少し意識するだけで、世界的な食品廃棄の問題を防ぐ力になれる。

 

家にあるものを使う:食品ロスを減らす第一歩は、シンプルだ。買い足そうと店に走るのではなく、家にあるものを使うのである。まずは、生鮮食材を腐らせないようにどれから食べるべきかを確認し、そこから献立を考える。クリエイティブになって、何かの代わりに別の食材を使うこともある。そもそも料理は創意工夫のプロセスだ。楽しもう! それが買い置きしてある食材を使い切り、パントリーの缶詰の消費期限を確認する良い機会にもなる。

計画を立て、それを守る:毎週数分を割いて献立と買い物リストを作ることは、食品ロスを減らす優れた方法だ。もちろん、ストレスも減る。リストを用意して買い出しに出かければ衝動買いを減らせるし、すでに家にあるものを二重に買うこともなくなる。要するに、必要なものだけを買えば、時間とお金の節約になるのだ。

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食品ロスを減らすいい方法はクリエイティブになること! 次の買い物は、すでに家にあるものを使い切ってから行こう
ヘザー・フランシス

見た目が悪くても食べる:農産物の約46%は、見た目が好まれないという理由だけで畑からキッチンに届かない。小さすぎるリンゴ、曲がったニンジン、きれいな黄色でないレモンは、栄養価の面では何の問題もなくてもすべて捨てられる。「見た目が悪くても食べる」というのはつまり、自然界に完璧な外見などというものはなく、農産物はあらゆる形や大きさ、色で育つものだと認めることである。小規模な生産者や農家の市場には、見た目が不揃いで個性豊かな果物や野菜が並んでいるはずだ。普通のスーパーでも、「見た目が悪い」――たいてい値引きされている――農産物のコーナーをのぞいてみよう。少しでも節約して、地球も救おう!

オーガニックより地元産を選ぶ:多くの人が、地元で作られたものよりオーガニックを選び、そのほうが環境に良い選択だと思っている。しかし、食品を選ぶ際は、農法だけでなく、輸送距離や包装を検討することも重要だ。例えば、離島に住んでいる場合、工業化された農場で作られ、プラスチック包装ではるばる出荷されてきたオーガニック食品を買えば、有機認証を受けていない地元産の食品を選ぶよりも、環境に及ぼす悪影響は大きくなる。

サステナブルな方法で食べる:サステナブルな方法で食べるには、自分たちの食べ物が作られた場所と方法、使われた資源、プロセス全体の環境への影響、家畜動物の飼育状況、労働者への対応と支払いなどを考える必要がある。肉の消費を減らし、養殖魚ではなく天然ものを選び、旬のものを食べ、地元産を買い、フェアトレード品を買い、自分で育てたり作ったりしたものや、包装・加工の少ない食品を食べて、サステナブルな社会に貢献しよう。

 

この記事は、Cruising Worldのヘザー・フランシスが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはすべてlegal@industrydive.comまでお願いいたします。