SDGs(エスディージーズ:持続可能な開発目標 )を達成するためには、世界中の人々がお互いを理解し合い団結する必要がある。これについては目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」にも掲げられており、すべての課題をクリアするためにも重要になるだろう。

今回は、SDGsの目標17の内容と、実際に日本の企業が取り組んでいる事例や個人で実行できる活動について紹介する。

SDGs17「パートナーシップで目標を達成しよう」とは?

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SDGsの目標17とは、具体的にどういった内容なのか。目標17の基本的な概要と、生まれた背景について解説しよう。

開発途上国を支援して世界中のパートナーシップを強化

SDGsは、誰ひとり取り残されない社会を目指しており、開発途上国の支援は必要不可欠である。そのためにも、世界中がパートナーシップを強化しなければならない。

世界というワードから国外だけを連想しがちだが、SDGs達成のためには国内や地域レベルでの包摂的なパートナーシップを築き上げることも重要である。

開発途上国を支援するためには、まずは資金援助が必要である。国際支援をとおして、税金など国内資金の調達を強化することや、政府開発援助の確約、開発が遅れている国への投資に関する仕組みや体制づくりが求められている。これらは、目標17の課題にも含まれているのだ。

資金供給についてだけではなく、現在他国から多額の借金をしている場合には、返済期間の延長など、負担を緩和するための対応も考えられている。

加えて、開発途上国の環境面に配慮した技術の移転や普及、国際的な科学技術 を活用することで、経済的・衛生的にも安定した生活を目指す。

最適な支援を実現するためには、情報が不足しがちな島国も含めて、多くの開発途上国の正確なデータを収集する方法を確立する必要がある。タイムリーな情報を利用することで、より最善の取り組みができるだろう。

目標17が生まれた背景

前述したように、正確でタイムリーな情報は効率的な国際支援を行うためには重要であるものの、実際には世界各国のあらゆるデータが足りていないのが現状だ。

2016年時点ではユニセフが「SDGsで定められた指標に関するデータが大きく不足している」と訴えており、特に子どもの権利に関しての内容では、暴力からの保護や貧困に関するデータが得られていない。

この状況は2018年時点でも大きな改善が見られておらず、SDGs指標のおおよそ2/3に関してデータが無い国や、十分な評価ができない国があった。

世界的にも深刻な問題である大気汚染についても、アフリカでは正確な統計データが得られていないため、5億人の子どもたちがどのような環境で生活しているのか把握できていない。

このような状況が続いていては、今後も最適な対策や活動はできないだろう。資金や技術援助を積極的に行い、パートナーシップを強固なものにすることで、データの収集を促進させて、いち早く最善の行動を起こさなければならない。

しかし、現状では各国で経済力や開発力の差があるにも関わらず、2018年の政府開発援助の資金が前年と比べ2.7%(4,000億円)減少しているのだ。2020年からは「行動の10年」とされ、より一層の取り組みが求められている。

出典:持続可能な世界への第一歩 SDGs CLUB(公共財団法人 日本ユニセフ協会)

SDGs17の達成に取り組む企業事例

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目標達成に向けて、多くの企業も取り組みを進めている。ここからは、実際に行われている活動の事例について紹介しよう。

リベラ株式会社

社会インフラの基盤

リベラグループでは、 世界の物流を支える安全な海上輸送を提供している。

船舶はバリアフリーに対応したものを提供しており、災害時には救援や救助活動にも対応できる多目的船が整備されているのだ。

北海道と本州を結ぶ役割を果たし国内でのインフラ強化を図る一方で、地域貢献事業としても芸術文化活動や地域交流イベントの参画など、地域のパートナーシップを高める取り組みも行っている。

環境への取り組み

環境面への配慮は人の生活や地球にとって重要な課題であり、世界的にも貢献できる取り組みであるため、太陽光発電などのクリーンエネルギー事業へ出資し、環境と人に優しい循環型農業にも取り組んでいる。

テラオライテック株式会社

社会起業家の育成

水に対する課題を抱える開発途上国は多い。トイレが無く不衛生な環境や清潔な飲料水の確保ができないなど、感染病のリスクや子どもの発達に影響が出ている国や地域は多数存在している。

テラオライテック株式会社では、特に早急な解決が必要なネパール、スリランカ、ウガンダ、バングラデシュ などで、迅速な水問題の改善を目標に、社会起業家の育成を行っている。

具体的な育成活動の内容は、「水と衛生の基本的な知識を習得させる」「現場施工などの専門知識を習得させる」「海外研修の実施をとおして新法人を誕生させる」などだ。新法人誕生後もグループ全体として支援を行うことで、質の高い事業展開と環境整備への貢献を目指している。

協和キリン株式会社

卓球部

卓球を通したスポーツ文化への貢献により、多くの人たちの健康や地域の活性化、子どもの健全な育成を目指している。

スポーツを通した幅広い社会貢献だけでなく、ステークホルダーとの良好なコミュニケーションやリレーションを構築する機会にもなるだろう。

協和キリンの卓球部の詳しい活動内容についてはこちら

オープンイノベーション

オープンイノベーションとは、知識や技術を社内だけに限定せず社外からも取り入れて組み合わせ、革新的な新しい価値を創出する方法論である。

協和キリンでは革新的な創薬のため、多くの企業や研究機関と共同で研究や開発を進めている。

特に腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の分野は同社の豊富な知見をもとに、より一層の価値創出に励んでいる。

今後も多様な創薬技術を駆使し、少しでも早く多くの人々に新薬を届けるために、さまざまな分野のパートナーとの協力を目指す。

国産ホップを守る取り組み

キリンホールディングスの取り組みとして、日本産ホップの生産体制を整え、日本独自のビアカルチャーを残す活動を実施している。

岩手県遠野市と協力のもと、地域活性化により数十年後にも活躍し続けることができるような町づくりを目指す。

そのほかにも、協和キリンではCSV経営をとおして、SDGs達成に向けてさまざまな取り組みを行っている。

協和キリンが行っているCSV経営についてはこちら

パートナーシップで発展を目指すために私たちができること

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ここまでは企業の取り組みを紹介してきたが、目標17を達成するためには一人ひとりの活動も重要だ。個人でも実施できる取り組みについて紹介しよう。

開発途上国へ募金・寄付を行う

パートナーシップを強化して、さまざまな支援を行うためには少しでも多くの資金が必要である。

国際的に支援活動を行っている団体に募金や寄付を行うことで、取り組みをサポートすることができるのだ。

数円から数千円の単位でも多大な貢献をすることができ、開発途上国への支援によりパートナーシップを築くための役割を担うことができるだろう。

地元で買い物をする

生活に必要な野菜などの食品や物品を地元で購入するだけでも、地域に貢献することができる。

地元の企業を支援して雇用を守る働きがあり、身近なパートナーシップへの取り組みといえる。

人間や地球を守る取り組みへの参加を訴える

会社や政府に、これ以上人間や地球へ悪影響を及ぼさないため、パリ協定への支持や関連する取り組みへの参加を訴えかけるのも大切な取り組みになる。

一人ひとりが声を上げることで、大きな活動へと発展して成果を上げるきっかけになるだろう。

自分の働いている企業の取り組みを知る

自分の働いている企業がSDGsについて何に取り組んでいるかを確認することも、身近なSDGsについて知る機会になる。

アルバイト先や就職先を選ぶときにも参考にすることで、社会全体がどの程度SDGsを意識しているかが見えてくるだろう。

まとめ

今回はSDGsの目標17について解説した。世界規模で協力し合うためには、現在開発途上国と呼ばれている地域の状況や実態を把握することが重要である。

しかし、未だに人材や資金・資源などさまざまな支援が不足しており、現状がすべては見えていない状態にあるのだ。

募金や地域貢献など身近な取り組みから始めることが、世界を変えるきっかけになるため、少しでも多くの人たちがSDGsを理解して声を上げることが望まれる。