一見すると、自動車メーカーとレストランチェーンは異なる二つの業種だ。だが、新たな価値を生み出すリサイクル(アップサイクリング)は、共通のテーマだ。多くの企業が、廃棄物がどこで発生するかを問わず、「環境負荷を低減し、循環型経済を実現しよう」という消費者意識の高まりに応えようとしている。
外食産業に関するニュースを発信するRestaurant Diveの記事にあるように、フォードとマクドナルドが手を組む今回の取り組みは、「捨てる神あれば、拾う神あり」を見事に体現している。
これは、マクドナルドから出るコーヒーかすを使って、軽量の自動車パーツに作りかえよう、という試みだ。両社の研究で、焙煎過程でコーヒー豆からはがれ落ちるチャフと呼ばれる薄皮が、車の軽量パーツを補強する素材になることが分かった。
すでにある技術を用いて、低酸素条件でチャフを高温にさらした後、再生プラスチックや添加剤と混ぜ合わせてペレット状にする。その複合材をさまざまな形に作りかえて車のパーツに利用できる、とサステナビリティ専門のメディア大手GreenBizは伝えている。
両社とも具体的にいつからこの取り組みを始めるかは発表していないが、フォードのプレスリリースによると、北米地域で発生するかなりの量のチャフがマクドナルドからフォードに送られ、自動車パーツに利用される見込みだ。
リリースにはこう書かれている。「フォードとマクドナルドの今回の提携は、両社にとって、責任を持って製品・環境管理を進めるための革新的なアプローチの最新事例です。このプロジェクトには、ヘッドランプのサプライヤーであるバロック・ライティング・システムズ社や、コーヒーチャフの処理を担うコンペティティブ・グリーンテクノロジーズ社も参加しています」
フォードのサステナビリティ・新素材研究チームでシニアテクニカルリーダーを務めるデビー・ミーレフスキは、Climate Actionの取材に次のように語っている。「さまざまな業界が互いに力を合わせ、副産物や廃棄物を原料としてやり取りして有効活用する。そんな循環型経済の実現に向けて、今こそ大きな一歩を踏み出すときです」
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