チョコレートは、罪悪感のある楽しみとして知られている。しかし、最近の報告書を読み、お気に入りのお菓子ができるまでにカカオがたどる道のりを知れば、心の中がさらに後ろめたさでいっぱいになるかもしれない。先頃、グリーン・アメリカ(「社会的に正しく、環境の面で持続可能な社会」を目指して活動するNGO)が、2019年版「チョコレートスコアカード」を発表した。このスコアカードは、チョコレート業界における児童労働と森林破壊、農民の貧困に注目して採点されたものだ。そして世界のトップブランド各社は、最低レベルの評価を受けている。

最も低い「F」評価はゴディバだけだが、モンデリーズとフェレロもそれほど違いはなく、いずれも「D」評価だった。リンツとハーシーも「C」を付けられた。有名メーカーではマースとネスレの評価が最も高かったが、それでも「C+」にとどまる。その他の企業については、評価の低い方から、ギタードは「B+」、アルテルエコ、ディバイン、エンデンジャード・スピーシーズ、イコール・エクスチェンジ、シャーマン、セオ・チョコレート、トニーズ・チョコロンリーは、どれも「A」評価だった。

それでは、この評価の方法を見てみよう。グリーン・アメリカは、「A評価のチョコレートは、農家の収入と児童労働の問題への取り組みが見られ、かつ非遺伝子組み換え作物の認証やオーガニック認証を受けているもの」だと言い、さらにこう付け加えている。「私たちが注目しているのは、大手チョコレートメーカーが使う認証カカオの量だけではありません。カカオにまつわる児童労働の根底にあるほかの問題に取り組むために、革新的な計画やプロジェクトを実施しているか、森林破壊の問題に取り組んでいるか、といった点も見ています」

「数え切れないほどの選択肢の中から、どのブランドが世の中にとってよいものなのかを見極めるのはなかなか大変です」と、グリーン・アメリカの消費者・法人エンゲージメントを担当するエグゼクティブ・ディレクターのトッド・ラーセンは、スコアカードの発表とあわせて、そう語る。「消費者が自信を持って、エシカルに調達された高品質の原料で作られたチョコレートを選ぶお手伝いをすること。それが、グリーン・アメリカのスコアカードの目的です」

消費者が目印にできる特定のシンボルマークがスコアカードに明示されていることも、大事なポイントだ。グリーン・アメリカが評価軸にしているのは、フェアトレード、フェアトレード認証、IMOのフェア・フォー・ライフ、レインフォレスト・アライアンス、UTZの五つの認証プログラムだ。いずれも、ラベルを使用する企業による強制労働や児童労働を禁じている。また、グリーン・アメリカが指摘するように、各企業の独自の取り組みは「実際の範囲やインパクトはさまざま」だが、これらの認証プログラムはそれとは違い客観的なものだ。

スコア・カードを通じて学びとってほしいことは何か。グリーン・アメリカの労働公正マネージャーであるシャーロット・テイトは、こう述べている。「大手ブランドは、これらの問題への取り組みをもっと強化する必要があります。消費者は、エシカルに調達されたチョコレートを買うことで、大手ブランドが取り組みを変えるように強く影響を与えることができます」

とはいえ、アルファベットの評価だけを文字通りに受け取るのは賢明ではないかもしれない。ありがたいことにグリーン・アメリカは、最大手7社がどうすれば改善できるかについての詳細な分析もウェブサイトに公開している。興味のある方は、ぜひご確認を。

 

この記事は、Food & Wineのマイク・ポムランツが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comまでお願いいたします。